連載 第1回
2022年6月に「HOBBY NEXT PHASE」にて新商品が企画進行中であることが発表された、デザイナー・カトキハジメ氏がプロデュースするマスターグレードブランド“MG Ver.Ka”。本シリーズが今年で20周年を迎えることを記念して、今月と来月の2回にわたり20年の軌跡を辿りながら、シリーズの魅力と特徴を探っていく。
【MG Ver.Kaアイテムリスト】
発売月
商品名
2002年 12月 MG 1/100 RX-78-2 ガンダム Ver.Ka
2004年 3月 MG 1/100 ウイングガンダム Ver.Ka
12月 MG 1/100 ボール Ver.Ka
2006年 9月 MG 1/100 クロスボーンガンダムX1 Ver.Ka
2007年 12月 MG 1/100 ユニコーンガンダム Ver.Ka
2008年 12月 MG 1/100 シナンジュ Ver.Ka
2009年 12月 MG 1/100 ヴィクトリーガンダム Ver.Ka
2010年 7月 MG 1/100 Vダッシュガンダム Ver.Ka
7月 MG 1/100 コア・ブースター Ver.Ka
2011年 12月 MG 1/100 フルアーマーユニコーンガンダム Ver.Ka
2012年 12月 MG 1/100 νガンダム Ver.Ka
2013年 2月 MG 1/100 シナンジュ・スタイン Ver.Ka
6月 MG 1/100 クロスボーンガンダムX2 Ver.Ka
12月 MG 1/100 サザビー Ver.Ka
12月 MG 1/100 クロスボーンガンダムX3 Ver.Ka
2014年 8月 MG 1/100 Hi-νガンダム Ver.Ka
9月 MG Hi-νガンダム Ver.Ka用 HWS拡張セット
2015年 12月 MG 1/100 V2ガンダム Ver.Ka
2016年 1月 V2ガンダム Ver.Ka用 拡張エフェクトユニット“光の翼”
7月 MG 1/100 フルアーマー・ガンダム Ver.Ka(GUNDAM THUNDERBOLT版)
12月 MG 1/100 高機動型ザク“サイコ・ザク” Ver.Ka(GUNDAM THUNDERBOLT版)
12月 MG 1/100 νガンダム HWS Ver.Ka
12月 MG νガンダム Ver.Ka用 HWS拡張セット
2017年 6月 MG 1/100 クロスボーン・ガンダムX2改 Ver.Ka
9月 MG 1/100 ダブルゼータガンダム Ver.Ka
12月 MG 1/100 ダブルゼータガンダム Ver.Ka用 強化型拡張パーツ
12月 MG 1/100 強化型ダブルゼータガンダム Ver.Ka
2018年 3月 MG 1/100 ユニコーンガンダム2号機 バンシィ Ver.Ka
12月 2018年12月 MG 1/100 V2アサルトバスターガンダム Ver.Ka
12月 MG 1/100 V2ガンダム Ver.Ka用 アサルトバスター拡張パーツ
2019年 8月 MG 1/100 クロスボーン・ガンダムX0 Ver.Ka
2020年 2月 MG 1/100 FAZZ Ver.Ka
9月 MGEX 1/100 ユニコーンガンダム Ver.Ka
11月 MG 1/100 ウイングガンダムゼロEW Ver.Ka
2021年 5月 MG 1/100 クロスボーン・ガンダムX1(パッチワーク) Ver.Ka
(2022年8月現在)
青字がカトキ氏デザインのMS、赤字がそうでないMS(黒字は拡張セットなどの商品)。バリエーション展開も考慮すると、カトキデザインMSに偏っているわけではなく、Ver.Kaが初立体化の商品もあれば、主役級の人気MSなどさまざま。シリーズの特徴は以下が挙げられる。
開発では毎回、何らかの新しいトライアルが行われている。
カトキ氏の監修は、プラスチックの成型色やマーキングデカールのデザインにまで及ぶ。
商品写真、パッケージイラスト、組立説明書もカトキ氏のディレクションで制作される。
MG 1/100 RX-78-2 ガンダムVer.Ka
リアル志向の模型ファンの要望に応えたシリーズ第1作
シリーズ第1作。アニメ設定から大幅なディテールが加えられている。1990年にガンダム10周年を記念してHGシリーズが立ち上げられ、解説書用にカトキ氏が描き起こしたイラストが本作のベースとなった。HGシリーズではリアル志向の模型ファンの要望に応えようと、大河原邦男氏が新しくデザイン画を手がけ、カトキ氏は大河原氏のデザイン画を元にイラスト数点を仕上げている。この経験を元に、“機体の内部に関節や装置があることを感じさせるRX-78-2ガンダムとは?” というテーマに取り組み生まれたのが、本キットのデザインだった。
パッケージデザイン
Ver.Kaのパッケージは通常のMGとは別デザインで、白地に英字ロゴが入る。カトキ氏が手がけるCGイラストは“素立ち”で、腰のひねりや腕の角度など何度も調整され仕上げられている。背景には別形態や別アングルのイラストが入る場合もある。
価格
3,520円(税10%込)発売日
2002年12月下旬対象年齢
15才以上MG 1/100 ウイングガンダム Ver.Ka
ラウンドシェイプで構成されたラインと8頭身プロポーション
『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』のMSV的展開をめざし、ウイングガンダムゼロ(EW版)からさかのぼる形でデザインされた機体。複雑な面構成の翼とポップなカラーリングが新鮮であった。全体がラウンドシェイプで構成され、スマートなデザインとなった。ガンプラで8頭身プロポーションを再現したのはこのキットが初だろう。
価格
3,850円(税10%込)発売日
2004年03月上旬対象年齢
15才以上MG 1/100 ボール Ver.Ka
MG初の三重構造を実現した、メカニカルな魅力が詰まった量産機
OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場したRB-79C改修型をベースに、ディテール、オリジナルマーキングが追加された。内部フレームは芯となるコアフレーム、その上に被せるトラスフレームの二重構造になっており、これに外装が加わることで、MG初の三重構造を実現している。アームの一部には金属シャフト、コードが使用されている。
価格
2,200円(税10%込)発売日
2004年12月上旬対象年齢
15才以上MG 1/100 クロスボーンガンダムX1 Ver.Ka
漫画原作の15m級MSを多彩な素材を駆使して再現
富野由悠季氏原作による漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム』(KADOKAWA刊)に登場。小型化された機体には合体・変形ギミックを内蔵し、マントの素材には不織布を使用。まだ店頭販売が主流だった時代に、映像化されていないMSをキット化するのはVer.Kaらしいチャレンジと言えた。漫画の人気を受けて、バリエーション展開も充実している。
価格
3,850円(税10%込)発売日
2006年09月29日対象年齢
15才以上MG 1/100 ユニコーンガンダム Ver.Ka
いくつかの限界へ挑み、映像化への弾みとなった“始まりの機体”
小説『機動戦士ガンダムUC』(KADOKAWA刊)でカトキ氏は、映像化や商品化の際にはハードルとなるような、難しいデザインにあえて挑戦している。ユニコーンガンダムでは“変身”のギミック、限界まで大きくしたV字アンテナ、発光するサイコフレーム、真っ白な機体色が盛り込まれた。これらの挑戦が作品を映像化へと導く一端となった。
価格
5,500円(税10%込)発売日
2007年12月対象年齢
15才以上MG 1/100 ヴィクトリーガンダム Ver.Ka
オーソドックスなデザインに、限界まで盛り込まれた変形ギミック
TV『機動戦士Vガンダム』のヴィクトリーガンダムはカトキ氏初期のデザインで、15m級の機体にコア・ブロック・システムが盛り込まれていた。放送後、久しぶりの商品化となったVer.Kaでは大胆なアレンジを行わず、ほどよいバランスでまとめられている。オーソドックスだが曲面主体のボディには、限界まで変形ギミックが詰め込まれている。
価格
4,180円(税10%込)発売日
2009年12月19日対象年齢
15才以上MG 1/100 フルアーマーユニコーンガンダム Ver.Ka
現地改修としながら、キット化を視野に入れてデザインされた装備類
小説『ガンダムUC』の連載時、クライマックスでの決戦仕様として用意されたフル装備。ストーリー展開を考慮して、ストック品をフル活用した急造タイプとしてデザインされた。Ver.Kaオリジナル武器ハイパー・ビーム・ジャベリンや94式ベースジャバーなど、破格のオプションが商品に盛り込まれ、アニメでも活用された。
価格
8,800円(税10%込)発売日
2011年12月24日対象年齢
15才以上2022年9月29日「GUNDAM NEXT FUTURE TOKYO BASE」会場にて
MG Ver.Ka新アイテムを公開予定
本帖最后由 红色的风 于 2022-09-14 20:13 编辑