いきもの大図鑑の開発担当の誉田です。
先日、「いきもの大図鑑アルティメット ナイルワニ」を発表しましたが、とんでもないサイズと価格に驚かれたかと思います。
いきもの大図鑑アドバンスの1,000円から、いきなりの19,800円は目を疑った方も多かったかもしれません。
この「ナイルワニ」の商品の構想自体は2年前からあったのですが、高い壁があり、今回やっと発表に至ることが出来ました。
今回は、この商品の発売が決まるまでのきっかけから発売を決めた経緯の話をさせて頂きたいと思います。
＜きっかけ＞
きっかけは2019年に遡りますが、ガシャポン「だんごむし」の次のシリーズとして「かめ」を発売した直後ぐらいの時期です。
フラッとイベント会場に行ったときでした。
竹内しんぜんさんが作成された「ナイルワニ」の作品が展示されていたのですが、細部までこだわって造形されており「まさに本物！」というようなリアリティを感じました。また、威嚇しているこのナイルワニのすごい迫力に圧倒されました。
その時は、特にワニが好きなわけでも爬虫類が好きなわけでもなかったのですが、このすごい迫力のあるフィギュアがすごくほしくなり、部屋に飾りたいと思いました。
また、感動したと同時に、このナイルワニをこの迫力のまま可動フィギュアに出来たら絶対すごいものになる。と、思いました。
すぐに竹内しんぜんさんと話をする機会があり、いつかナイルワニをフル可動にしたものを商品化したいという話をしたところ、原型を作って頂けるという承諾を頂くことが出来ました。
その日の帰りの電車のなかで、すごいものが生まれそうだと興奮気味だったことを覚えています。
とはいえ、問題はここからでした。
ノンキャラクターの高額アイテムを売るというのは非常に難しく、そう簡単なものではありません。
「高額商品でノンキャラクター物を成立させるのは非常に難しい。」
と、言われてきた一番の問題に販売数と価格のギャップというものがあります。
低単価ではある程度売れる生きもの系のフィギュアも、高額になるととたんに厳しくなります。
この時の段階では、ノンキャラクターの生物系のフィギュアで想定できる販売数で試算をした場合、リアル彩色でフル可動の40㎝のナイルワニでは、価格は2万円どころか5万円を超える価格でないと到底商品化は出来ませんでした。
しかし、そんな価格では購入する人は限られてしまいますし、たくさんの人に商品を手に取ってもらえなければ商品化の意味がないと考えていました。
そして、無理して作っても赤字になるのが目に見えていたため、立ち消えとなってしまいました。
その後も諦めがつかず、ナイルワニを発売するための突破口を探していましたが、なかなか見つけることが出来ませんでした。
その後、いきもの大図鑑シリーズの新作がどんどんと発売されていく中で考え方が変わっていきました。
いきもの大図鑑のかめシリーズの次に、昆虫、甲殻類、爬虫類…と発売していったのですが、想定以上にみなさんにご支持頂くことができました。
いきもの大図鑑シリーズの販売数は、これまでのノンキャラクターの商品とは大きく異なるものでした。
もちろん、ガシャポンの中では高額な500円ではあったものの、このサイズの可動フィギュアという点からで見てみると、500円というのは非常に安いということがあったことが売れた理由のひとつだと思います。
ただ、毎回全種類を集めてくださる方もかなりの割合で確認することが出来たということと、もっと高額でもそれに見合う商品だったらほしいという意見も見受けられるようになりました。
「今のいきもの大図鑑シリーズの販売数なら、高額商品であるナイルワニも一定以上の販売数を見込めるのではないか？であれば、2万円以下で売ることが出来る！！」
と、考えが変わりました。
そして、諦めることが出来なかったナイルワニの開発にやっと踏み出すことが出来ました。
その後も、竹内しんぜんさんのほか、たくさんの方の協力があり、開発をスタートしてからはかなり速いスピードで進めることが出来、今回の発表に至ることが出来ました。
次回は、このナイルワニの造形を作成して頂いた竹内しんぜんさんとの開発話です。
本帖最后由 联邦の吉姆 于 2021-09-07 11:37 编辑
